【Natural部門 優勝】
Coffee Wrights
Ethiopia/Sidama Bensa Bona/Alo village/Tamiru Tadesse/74165/Natural
ロースター:堺原 拓人さん

◆COFFEE COLLECTION DISCOVER「Natural部門 優勝」の結果を聞いて、ご感想をお願いします
そうそうたる審査員の皆様に評価していただき恐縮です……。前々回の2022年のCOFFEE COLLECTIONでは3位という結果で、嬉しいながらもあと一歩だったため、今回1位を獲得することができ、嬉しさと感慨深さでいっぱいです。ハイレベルで美味しいものが多かった中、自分のコーヒーが選ばれたことに驚いています。

今回、審査後に開催されたブラインドのパブリックカッピングにも参加させていただいたのですが、実は個人的に一番好みだと感じたのが、まさかの自分のコーヒーでびっくりしました! 同じTamiru Tadesse氏のALO Berryだろうとは気付いたものの、店で最終チェックしたテイストと比べても抜群にフレーバーがおもしろく、負けたな、と思っていたので、驚きも嬉しさも二倍でした。

 

◆今回の豆を選んだ理由を教えてください
やはりエチオピアが好きなので! このコーヒーは、あえて小粒の豆だけを集めてつくられたロットで、買い付け時にカッピングした際はナチュラルながらブライトで骨格を感じる酸と複雑なフレーバーが特に印象的でした。

これまでエチオピアのコーヒーの美味しさは、エチオピアという恵まれた土地や、ありのままの自然そのものの力で語られることが多かったのですが、2020年からスタートしたCOEにより、作り手である農園主自身にフォーカスが当たるようになってきたと感じています。そういう意味では、2021年のCOEで1位と5位に入賞したTamiru Tadesse氏はまさに時代の寵児(ちょうじ)とでもいうべき生産者。このロットからもそんな彼自身のコーヒーにかけるこだわりと情熱、クオリティ面でもかなりのポテンシャルを感じたため、今回の豆で挑みました。

 

◆「Ethiopia/Sidama Bensa Bona/Alo village/Tamiru Tadesse/74165/Natural」のフレバーコメント
ブルーベリー、グレープ、トロピカル、オレンジ、フローラル、メロン、スイートスパイス、コンプレックス、ロングスイート

 

◆堺原さんが考える美味しいコーヒーの定義とは?
「そのコーヒーらしさ」が十分に感じられるコーヒーでしょうか。ネガティブな要素が少ないものより、ポジティブな要素が多くあるものが好みです。もちろんネガティブ要素は少ないに越したことはありません。でも、そこばかりに目を向けて、せっかくの可能性ある個性が埋もれてしまうのはもったいないと思うんです。スペシャルティコーヒーの評価方法は加点方式ということもあり、いいところをたくさん見つけていきたいですね。

 

◆COFFEE COLLECTION DISCOVERに向けて、焙煎や味づくりで意識したこと、対策したことなどあれば教えてください
基本的には普段の焙煎と同じアプローチで挑みました。普段から浅煎りはブライトな味に仕上げるのが好きで、12kgの焙煎機に対して3〜4kgほどの投入量で焙煎しています。素材のクオリティがいい場合はより少なめの投入量にして短時間で焙煎するのが好みですね。このコーヒーは3kgで焙煎しました。

ただ今回は生豆の在庫が少なかったため、一回で焙煎を決め切る必要があり、緊張しました。以前焙煎していた同じTamiru Tadesse氏のMuragoというロットのプロファイルをベースにしながら、標高が高く小粒でハードビーンなことを考慮して、初期火力を強めに変更。火が入りすぎてロースティにならないように火力を調整し、短い時間で焙煎を終えられるようにしました。

それから、審査で使用される南アルプスの天然水は、店で使っている水と比較すると軟水傾向で味が出づらくなることを予測して、少しだけ最終温度を高めに調整しました。

結果的にトータルタイム7分5秒、デベロップが27秒/+6℃と、いつもの焙煎と比較しても特に短い仕上がりとなりましたが、実際に飲んでみるといい出来だったためこのコーヒーで勝負を懸けました。

 

◆読者の方、COFFEE COLLECTIONに来場予定の方に向けてメッセージをお願いします
今回の「Ethiopia/Sidama Bensa Bona/Alo village/Tamiru Tadesse/74165/Natural」は、Tamiru Tadesse氏とっておきの超小粒の豆だけを選別したロットです。エチオピアで聞いた話によると、同じ品種でも標高が高いほどコーヒーが小粒に育つ傾向があるそうです。ではなぜ、小さいものだけを集めるのか……。その意義は、高い標高ならではの寒暖差により、ゆっくりと硬く引き締まって成長した豆のみでロットをつくるという点で功を奏しているのではないでしょうか。小さな豆の中に宿る、複雑な味わいの凝縮感をぜひお試しください。

ほかにもCOFFEE COLLECTIONに合わせ、スペシャルなコーヒーをご用意する予定です。会場でお会いできることを楽しみにしています!

 

◆最後に、お店の紹介をどうぞ
「Coffee Wrights」は2016年末にスタートし、現在は東京の蔵前と表参道に2つの店舗があります。蔵前のロースタリーでは、1960年代に製造されたOld Probat LG-12を使用しながら、素材の個性を最大限に引き出せるような焙煎を心がけています。

「Coffee Wrights」という名前には「コーヒーをつくる人」という意味があります。豆を購入して楽しんでいただく方もそのひとりとして考え、幅広い方に美味しく味わっていただけるコーヒー豆をご用意しています。これからも街の八百屋さんのようにオープンで立ち寄りやすく、コーヒーのことを気軽に尋ねていただけるような店づくりを進めていきます。


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