大阪・昭和町。住宅街の中にひっそりと立つ「珈琲と白ワイン tent」は、志帆さん・志織さん姉妹が経営するカフェです。「嬉しい時も辛い時も、気軽に立ち寄れる、落ち着いた場所にしたい」と、ほっとひとやすみできる空間を提供しています。内装から接客、提供するお菓子や「珈琲と白ワイン」という店名まで、オーナー姉妹にそのルーツやカフェに込めた想いを伺いました。

 

どんな人でも入りやすい、居心地の良いお店に

昭和町駅から歩くこと10分弱。「珈琲と白ワイン tent」は、アベノ洋風長屋のまんなかにあります。「コンセプトはひとやすみ。駅から少し歩いていただくことで、気持ちを切り替えてもらうことも、この場所を選んだ理由の1つです。」と語るふたり。扉を開けて中に入ると、グレーや白・木目に統一された内装が出迎えてくれます。

「女性だけでなく、男性でもひとりで入りやすい場所にしたかったんです」という言葉の通り、シンプルだけど温かみのある店内は、静かで居心地が良い空間。

もともと、音響の仕事をしていた姉・志帆さんのアイデアで取り入れた不思議な形のスピーカーは、音が1箇所でなく、空間全体に響きわたる仕様。優しい音楽が店内を包み込み、大きな窓からは太陽の光がたっぷり入ります。

 

長年抱き続けていた、姉妹でカフェを営む夢

姉妹がこの場所にカフェをオープンしたのは、2019年。ですが、実は10代の頃から、「いつか一緒にカフェを運営したい」という夢を持っていたとのこと。

外食に行くことが好きだった母の影響で、ふたりは小さい頃からカフェに連れて行ってもらう機会が多く、カフェで過ごす時間が大好きだったそう。「私たちが感じる『楽しい』という気持ちを、他の人にも実感してもらえる場所を作りたい」。カフェを営むことは自然と、姉妹の共通の夢になっていきました。

それが本格的に始動するキッカケとなったのは、妹・志織さんが通っていたカフェの専門学校の卒業課題。店舗作りがテーマだったことで、自分のお店をイメージしながらコンセプトやメニューブックを考え始め、志帆さん・お母さんともアイデアを出し合いながら形作られていったのが「tent」です。

tentと聞くと、キャンプ場で立てるシーンをイメージされる方も多いのではないでしょうか。いつもはしないようなことをして、食べたことのないようなものを食べて、ひとりでもみんなとでも楽しめる。美味しいものや体験など、様々な新しい発見がある、“日常の中の非日常”。「自分たちが運営するカフェは、そんな場所にしたい」と考えていました。

実際にお店をオープンするのは、そこから何年も経った後ですが、姉妹の中ではそれ以降、「tent」という言葉が共通言語に。「この家具、tentに置いたら良さそう」「いつtent始める?」いつか叶えたい夢は時を経て2019年、ついに実現します。

 

コンセプトを通して出会った、昭和町という街

カフェをオープンするうえで大切な場所選び。当初はふたりの出身地である兵庫県を中心に考えていたそう。そんなふたりが昭和町の物件を見に行くきっかけになったのが、“長屋”です。

「長屋は住宅街の中にありますが、今は馴染みのない方が多いと思います。その点が“日常の中で過ごす非日常”というtentのコンセプトにぴったりだなと思って。」

そう考え、見学を申し込んだ場所が、今お店を構えているアベノ洋風長屋。「長屋の持つ雰囲気や立地がイメージにぴったりだったことに加えて、昭和町という街が魅力的だったんです。不動産屋さんが案内する時も、まずは街から案内してくれて。いろんな店舗の人に私たちを紹介しながら歩いてくれる姿を見て『私たちも、このまちの一員になりたい』という気持ちになりました」

 

カフェでの過ごし方に選択肢を増やす、「珈琲と白ワイン」

店名の一部である、珈琲と白ワイン。これは「コーヒーと白ワインを飲んでほしい」という意味ではなく、「それぞれ思い思いのひとやすみを過ごしてほしい」という想いが込められていているとのふたりは語ります。

「ちょっと休みたいな」と思ってカフェに来て、コーヒーを飲みたい人はコーヒーを、白ワインを飲みたい人は白ワインを。同じテーブルで、それぞれの好きなものと一緒にひとやすみができる。「カフェでの過ごし方に選択肢を増やせたら」と考えていました。

「店名を決める時はずいぶん悩みました。どうしても提供したいコーヒー豆があったので、コーヒーは店名に入れると最初から決めていたのですが、アルコールに関しては、選択肢を増やしたい気持ちはあるけれど、お酒の種類を増やすとバーに寄ってしまいます」。

そんな時に思い浮かんだのが“自然派白ワイン”。明るい時間から気軽に飲めて、スコーンやタルトなどふたりが得意とする“気軽に食べられる素朴なお菓子”とのペアリングも楽しめる。コンセプトにぴったりな飲み物が自然派白ワインだったのです。

提供するお菓子は、コーヒーにも白ワインにも合うものを制作。チーズケーキや季節限定のタルトなど、甘味や酸味・フルーツの選び方を研究して、バランス良く作ることを大事にしています。

看板メニューのスコーンは、朝・昼・夜・おやつ時と、「いろんなシーンに合うように」がキーワード。バターが濃くならないように、でも味わいがあるよう試行錯誤して完成しました。

味や食感だけでなく、素材もできるだけ体に良いものを採用。カラメル色素不使用の砂糖やオーガニックのチョコレートなど、「お客様の口に入るものだからこそ、素材には最大限こだわることを大事にしています」

 

自分の“好き”よりも、“tentらしさ”を大切に

ふたりがカフェを運営する中で、もっとも大事にしているのが「tentらしさ」。インテリアを決める時も、メニューを決める時も、自分たちの「好き」ではなく「tentのコンセプトに合っているのかどうか」ということを基準に考えているといいます。

「tentをオープンさせるまでには、街の人や知人・友人など、様々な方に助けてもらいました。ふたりだけだったら、絶対にオープンできなかった。だからこそ、今度はお客様に幸せと嬉しい気持ちを還元できるようになりたい。そのためにも、tentを継続させて、心の拠り所になるように育てたいんです。」

 

tentで繋ぐご縁を、これからも

tentをオープンしてから、様々な出会いやご縁があったというふたり。来店時は疲れていそうな表情をしていた方が、お帰りの際にはニコニコして「美味しかったよ」と言ってくれたこと。フラワーアレンジメントをしているお客様と一緒に、母の日ギフトを作ったこと。英語の得意なお客様が、友人と協力して、tentのギフトに付ける英語のメッセージを一生懸命考えてくださったこと。

そのどれもが宝物のように愛しく、これからも、そんなささやかな幸せやご縁を繋げる場所でありたい。“幸せの循環”を続けるためにも、まずはtentが続くように頑張ることが目標、と語ります。

忙しい毎日の中で、ほっと息つける空間。気持ちを切り替えたい時、嬉しい余韻に浸りたい時、そっと寄り添ってくれる場所がtentなのかもしれません。

「カフェでもなく、バーでもなく、tentは、「tent」という空間。落ち着いた空気の中で、手作りのお菓子を食べて、ゆっくり休んでほしい。」そう話すふたりの眼差しは、芯がありながらも優しく、カフェに流れる穏やかな音楽や差し込む光とともに、今日も温かい空気感を作り上げています。

 

◆珈琲と白ワインtent
住所:〒545-0021 大阪府大阪市阿倍野区阪南町3丁目7−8
営業時間:12:00〜18:00(変更の場合あり)
定休日:不定休
Instagram: https://www.instagram.com/tent_cafe
CafeSnap みんなの投稿>> https://cafesnap.me/c/13144

取材・写真・文  by Yuri

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カウンターの内側から伝える、日常に“通う店”がある豊かさ「Sputnik」

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