大阪市の靭公園前に佇む、CHASHITSU Japanese Tea & Coffee。ここは、日本茶スタンドでありながら、“働くこと”や“生きること”のヒントが散りばめられた、心をそっと押してくれる“現代の茶室”です。国産の日本茶とスペシャルティコーヒーを掛け合わせた斬新なメニューやこの場所に込められた想いを伺いました。

 

自分自身と向き合う場所を作る。お茶の可能性と共に、踏み出した一歩

大阪の四つ橋線 本町駅28番出口から徒歩約5分。ビジネス街から少し外れた静かな公園前に「CHASHITSU Japanese Tea & Coffee」がオープンしたのは、2013年5月のこと。

「忙しく働く人達が、ほっと一息過ごせる空間を作りたい」と、“現代の茶室”をテーマに開業。オープン当時の店名は「CHASHITSU for worker」でした。

「ちょうどこのお店の構想を考えた2012年前後は、カフェといえばコーヒーを提供するお店ばかり。どこかで心を落ち着かせようと思った時に、『現代版の茶室のようなお店があればいいな』と思ったんです。」と話すのは、CHASHITSU Japanese Tea & Coffeeを運営するNPO法人HELLOlife代表理事の塩山諒さん。

お茶は古くから、“自分自身と向き合う”ツールとして親しまれていて、心を落ち着かせて、ワンクッション置きたい時に欠かせない飲み物。自分の心と対話するオアシスのような場所、“現代版の茶室”を作ろうと一念発起しました。

当時、官公庁や中小企業のコンテンツ制作やプロモーション事業に携わっている中で、大阪の雇用問題に直面していたという塩山さん。

行政としての就職支援は様々なものが用意されていますが、実際に就職や仕事に悩む人が、なかなか利用しづらく、支援を本格的に求めた時には既に手遅れ……といったケースが散見されていることを知り、「もっと気軽に、遊びに行くような感覚で訪れることができる、就職支援の場所を作りたい」と考えるようになったそう。

そんな経緯から、代表として運営しているNPO法人で就職支援事業を開始し、その中に“現代の茶室を作る”というプロジェクトが始まりました。

構想通り、出来上がった店舗は、1階から3階をカフェとしながら、2階は就職活動に関するインフォメーション、3階は仕事に関するイベントやワークショップを開催する場所として活用。カフェとして気軽に利用してもらいながら、“働くこと”についても考えられる場となりました。各フロアに電源やwi-fiを完備し、ノマドワークの場としても利用されています。

塩山さんがお店をオープンするにあたって絶対に不可欠と考えていたのが、豊かな緑。目の前に靭公園があるこの場所は、最高のローケーションでした。

「心を落ち着かせてリラックスするためには、緑がどうしても必要です。大阪の中心部でありながら、ここまで静かに自然を見渡せる場所は、靭公園の周辺だけだ、と以前から思っていました。」

店から四季のうつろいを感じてもらえるようにと、窓は無理を言って大きめに設計したことで大阪市内とは思えない美しい眺めとお茶を堪能できる空間に。

そんな贅沢な場所で楽しめるのは、京都府和束町の日本茶を使ったドリンクです。オープン当初は様々な生産地のお茶を揃えていたのですが、和束町のお茶生産者さんの話を聞いたことで、考えが変わったという塩山さん。

「和束町は、宇治茶の原産地のひとつ。しかし、パッケージに和束と記載すると宇治茶の約半額程度の値段になってしまう。それを知って、驚愕しました。本当に美味しいものを、多くの人にきちんと伝えたい。そう考えて、いまは和束町の日本茶のみを扱っています。」

また同店では、他にも日本茶を使ったユニークなメニューを揃えています。たとえば「MATCHA CHARGE」は、抹茶とソーダが入った人気メニュー。抹茶はヘルシードリンクとして注目されていますが、抹茶ドリンクで元気をチャージしてほしいと、名前がつけられたとのこと。抹茶の苦みとソーダの酸味が合わさり、ほろ苦さの中にも爽快感があり新鮮な味わいです。

 

唯一無二の味を求めてUnirとともに開発した、ほうじ茶とコーヒーのアレンジドリンク

2015年、新メニューのローンチとともに、同店は「CHASHITSU Japanese Tea & Coffee」とし てリニューアルを行います。そのうちの1つが、京都のスペシャルティコーヒーショップ「Unir」 と共同開発した“ほうじ茶とコーヒーを掛け合わせたアレンジドリンク”です。

和束町のほうじ茶とUnirのコーヒーをかけあわせた、ほうじカフェジュレッティー 480円

「立地柄、以前からコーヒーも出して欲しいというリクエストをいただいていたのですが、うちは茶室なので、普通にコーヒーを出してもおもしろくない。そこで、日本茶とコーヒーを掛け合わせたメニュー開発を始めました。」

いまや看板メニューのひとつとなっている夏季限定の「ほうじカフェジュレッティー」は、コーヒーゼリー、ほうじ茶、オレンジが入ったアレンジドリンク。ほうじ茶の香ばしい香りとコーヒーの余韻、オレンジはほうじ茶とコーヒーのつなぎ役になり、潰しながら飲み進めるとアールグレイのようなすっきりとした味わいを楽しめます。

「アメリカンコーヒーって、お湯で割りますよね。その要領で、コーヒーをお茶で割ることもできるんじゃないかと考えました。『コーヒーもお茶も、どちらも良いポイントがある。分量を調整しすれば、きっと美味しいドリンクが出るはずだ』と、考えは揺らがなかったんです。」

“日本茶とコーヒー”という珍しい組み合わせに、最初はUnirさんも驚いていましたが、Unirさんは数多くのコーヒー豆を取り扱っているので、その中にきっとお茶と合うものがあるのでは、と相談を続けました。何度もお互いのお店を行き来し、日本茶とコーヒー、両者の魅力が光るドリンクが生まれました。夏季は「ほうじカフェジュレッティー」、冬季は「ほうじアメリカーノ」など、季節によってスタイルを変えながら楽しめる唯一無二のドリンクです。

ドリンクだけでなくスイーツにもユニークなメニューが光ります。看板スイーツは「おはぎバーガー」。一般的にもち米をあんこで包むのがおはぎですが、同店はあんこをもち米で挟むスタイル。

お店の4階にある工房で作られているというおはぎバーガー。実は働く自信やスキルを身に着けたいと考える人が、職業訓練をするジョブトレーニングの場所にもなっていて、お店のスイーツ作りが社会復帰への一歩になったという人も多いとのこと。

お客様に満足していただける美味しいおやつであることはもちろん、小さな社会貢献にも繋がるCHASHITSU Japanese Tea & Coffeeならではの取り組みです。

忙しい人でも、お箸を使わずに気軽に食べられるようにとバーガーの形になったそう。

 

自分の心を整え、ほぐす“CHASHITSU”を世界へ

「今後はさらに茶室としての場所を整えてもっと自分と対話できるような仕組みを作ったり、誰かと双方向でのコミュニケーションを取ったりできる場所を作りたい。」と話す塩山さんは、世界にも目を向けています。

「世界の公園や図書館にカフェがあるように、当たり前のようにCHASHITSUがあり、世界中の人が、自分を整える場所として利用している。やすらぎや考えをまとめる場所として、広く展開することが目標です。」

お茶には自分の心を整える力があります。美しい自然を眺めながら心をほどくことで、自分を見つめ直す。そんな体験が、より良い生き方や働き方を考えるきっかけにもなるのかもしれません。

CHASHITSU Japanese Tea & Coffeeは、どんな人でも気軽に立ち寄れる場所。そして、空間やメニューなど、様々な箇所に、生き方を考えるためのヒントが隠れています。

 

◆CHASHITSU Japanese Tea & Coffee
住所:大阪府大阪市西区靭本町1-16-14
TEL:06-6147-3286(HELLOlife内)
営業時間:平日 11:00-18:00(L.O 17:30)
土日 12:00-17:00(L.O 16:30)
定休日:第2火曜日(最新情報はSNSをご参照ください)
HP:https://chashitsu.jp
Instagram:https://www.instagram.com/chashitsujapanesetea_coffee
CafeSnap みんなの投稿:https://cafesnap.me/c/3556

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