昭和の喫茶店で愛され、日本のコーヒー文化の発展を語る上でも欠かすことのできないサイフォンコーヒー。その歴史のなかで新たな一歩といえる、自動サイフォン式コーヒーメーカー「Siphonysta(サイフォニスタ)」が発売されます。今回は発表会の様子をレポートします！
2023年2月21日に「Siphonysta」を発売するのは40年以上、家庭用のコーヒーメーカーを販売してきたタイガー魔法瓶株式会社。コロナ禍でおうち時間を充実させるため、コーヒー豆にも淹れ方にもこだわる人が増えたこと、それが自動サイフォン式コーヒーメーカーを開発するきっかけになったと言います。
発表会では、2018年と2015年のワールド サイフォニスト チャンピオンシップで準優勝した中山吉伸バリスタも参加し、サイフォンコーヒーの基本とマシンの魅力を紹介しました。
サイフォンコーヒーの基本
豆の個性をしっかりと引き出し、豊かな香りとすっきりとした後味が楽しめるサイフォンコーヒー。高温で短時間に行われる抽出方法はとてもユニークです。
まずフラスコ（下の部分）で熱せられた水が沸騰して蒸気化することで体積が増えます。その膨張力によって蒸気圧が発生し、お湯はコーヒー粉が入ったロート（上の部分）へ移動。ロート内で熱しながら抽出したのち熱源を止めると、フラスコ内の蒸気が外気に冷やされ収縮する力と重力でコーヒー液をフラスコへ引き戻すバキュームが発生、濾過されて抽出が完了します。
「一般的にフラスコで沸騰させたお湯が、ロートへ移動すると約10℃は温度が下がります」と中山さん。その温度は外気温によって変わり、さらにいえば、居る場所の標高によって気圧が変わり、それによって沸点も変わるという、変動要素の多い抽出方法です。サイフォンのプロであるサイフォニストたちは、それらを考慮しながら抽出をおこなっており、一般の方にはハードルの高い抽出方法とされていました。
タイガーの技術が集結した、自動サイフォン式コーヒーメーカー
そんなサイフォニストたちの“見えない仕事”を再現したのが、炊飯器や電気ケトルなどを製造してきたタイガー魔法瓶株式会社。これまで培ってきたさまざまな技術が「Siphonysta」に集結しています。
◆熱コントロールヒーター
電気ケトルで採用しているヒーターの技術を応用した新技術の“熱コントロールヒーター”を実装。業界最速のスピードで狙った温度に設定でき、最短2分40秒でコーヒーを作ることが可能です。
◆スチーム技術
“スチーム技術”は抽出の前の“蒸らし”を均一に行い、注湯後の“攪拌”に活用。
◆熱制御技術
コーヒーを抽出する際、後半にでやすい雑味を抑制するために“熱制御技術”を搭載。抽出の途中、湯温を下げるなどのコントロールを可能にしています。（2段階温度抽出法）
◆9パターンの味わい調整メニュー
酸味や苦味などの風味と濃さを各3段階で調整することで、9通りの味わいが楽しめる“調整メニュー”を搭載。ボタンはマシン上部にミニマルにデザインされています。
◆見ていて楽しい、洗練されたデザイン
透明シリンダーを採用。噴水のようにコーヒー吹き上がる様子は写真や動画でシェアしたくなる瞬間です。
◆食器洗い乾燥機に対応
最先端の技術が集結しながらも、シリンダーを含むパーツのほとんどが食器洗い乾燥機に対応しています。
サイフォンコーヒーがより身近な存在に
サイフォニストとして長年サイフォンに向き合ってきた中山さん。「Siphonysta」で淹れたコーヒーが、サイフォンコーヒーならではの味わいや香りを引きだせていたことに驚いたといいます。さらに発表会の終盤に話されていたこんな言葉も印象的でした。
「美味しいコーヒーをサイフォンで淹れるためには、コーヒー豆の個性を理解したうえで環境を読み、抽出をコントロールする技術が必要です。だからこそプロが淹れる一杯を楽しんでもらいたいという気持ちもありますが、『Siphonysta』はプロがおこなっている最も難しい部分を自動化することで、これまでハードルが高かったサイフォンコーヒーを身近な存在にしてくれます。『Siphonysta』をきっかけにサイフォンの間口が広がり、サイフォンに興味を持つ人や好きになってくれる人が増えたら嬉しいですね。」
◆Siphonysta(サイフォニスタ)
自動サイフォン式コーヒー抽出システム搭載コーヒーメーカー
発売日：2023年2月21日
価格：オープン価格（66,000円 税込・想定）
HP：https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/newsroom/press-release/pr_230125_01
