長い梅雨が明けていよいよ夏本番。この時期、旬を迎えるフルーツのひとつがメロンです。 今回は、オープンからちょうど1周年を迎えた「果房 メロンとロマン」を訪問。ジューシーで濃厚な甘みのあるメロンスイーツと、メロンをきっかけに目指す地域創生プロジェクトについて伺いました。

 

旬のメロンの味を届ける、日本初のメロン専門工房

神楽坂駅から徒歩7分のところにある「果房 メロンとロマン」は、日本初のメロン専門工房。1階は主にテイクアウト商品を販売し、2階がカフェスペース。常時、メロンが主役のスイーツやドリンク、約10種類を提供しています。

メロンの網目を連想させるタイルが可愛い。1階では食べごろのメロンとテイクアウトスイーツを販売

メロンとひとことでいっても、形や大きさ、果肉の色や香りなどはさまざま。日本国内だけでも30以上の品種があるなかから同店は、季節ごとに旬のメロンを国内外から取り寄せ、メロンそのものの美味しさと魅力を伝えています。

2階のカフェスペースにはメロンをテーマにした絵本が置かれていて閲覧可

実はこの「果房 メロンとロマン」を運営するのは、2018年のメロンの売上額全国4位を誇る、青森県つがる市。青森といえばリンゴが有名ですが、メロンも国内を代表する産地です。7月から9月頭はまさに、青森県つがる市産の高品質なブランドメロンが旬を迎える時期。

メロンの味が口いっぱいに広がる、生メロンのフルーツサンド 2種セット。味の違いを食べ比べてみて

「生メロンのフルーツサンド 2種セット(1000円)」はゴロッと大きな果肉が入ったフルーツサンドで、ランチにもおやつにもおすすめ。

緑色の果肉の “タカミ”という品種は、メロンならではの味わいと爽やかな甘さがあり、オレンジ色の果肉の“レノン”は、濃厚でとろけるような甘さが印象的です。どちらもつがる市を代表するブランドメロンで、食べ比べてみると、確かにそれぞれの個性的な味わいと違いを感じられます。

また、メロンを包むのはレーズンブレッドと、さっぱりした自家製クリーム。あくまで主役のメロンを引き立てる名バイプレーヤーです。

1階では食べごろのメロンを販売。つがる市のメロンはJAが光センサーで糖度を計測し、糖度15度以上のもののみが出荷される。プレミアムタカミはなんと糖度17度以上!

 

メロンをきっかけに、つがる市を「旅の目的地」「移住先」に

「メロン好きの人を増やしていきたい」と話すのは、青森県つがる市の産業振興係長としてカフェの運営に携わる西巻さん。そもそも、なぜつがる市がメロン工房とカフェを始めることになったのでしょうか。実はそこには、つがる市が抱えている課題があると言います。

「つがる市はメロン、りんご、スイカ、米などの農業が基幹産業です。なかでもメロン作りは、手間隙がかかるだけでなく体力も必要。ですが、昨今は生産者の高齢化や過疎化がすすみ、後継者問題など事業存続にかかわる課題を抱えています。

きれいな空気と水、水はけのよい土、昼夜の寒暖差などが美味しいメロンを作る(Photo by 果房 メロンとロマン)

つがる市は自然に囲まれた穏やかで素晴らしい土地です。カフェで食べたメロンをきっかけに、つがる市に興味を持ち、旅の目的地にしていただいたり、もし気に入ってもらえたら『いつか移住したい』『メロン生産に携わってみたい』そう思ってもらえるきっかけの場所にできたらと思っているんです。」

「果房 メロンとロマン」は、メロンをきかっけにした地域創生プロジェクトのスタート地点。働き方が多様化し、地方移住者も増えてきている今の時代、そのロマン溢れる構想は決して不可能ではありません。

自然豊かな青森県つがる市はメロン以外の農業も盛ん。(Photo by 果房 メロンとロマン)

甘くて美味しいつがる市産のメロンを楽しんでもらうことはもちろん、生産者とお客様が繋がれる場所にしていきたい、という西巻さん。昨年は青森の若手生産者とお客様を招き、メロンとお酒のマリアージュが体験できるイベントを開催しました。現在は、新型コロナウィルスの影響でイベントは難しいですが、メニューにはさりげなく、つがる市のエッセンスが加えられています。

 

かき氷と生メロンの贅沢コラボ、箸休めにご当地漬け物を

この夏の新作メニュー「赤と青と白のメロン蜜かき氷(1200円)」もそのひとつ。かき氷には大胆にカットされたレノン(赤肉)とタカミ(青肉)のメロン、2種の果肉で作ったシロップとメロン果肉入りの練乳が並びます。

そして、サイドに添えられているのが“すしこ”という漬け物。もち米にシソ、きゅうり、キャベツを加えて作る、つがる市のご当地名物です。「青森県の中でも、つがる市近隣の人しか知らないかもしれません」と笑う、西巻さん。甘いメロンの箸休めや終わりに、塩味のある“すしこ”をひとくち。口の中をリフレッシュしてくれます。

かき氷も生メロンを食べているような濃厚な味わい。果肉入りの練乳がまた絶品

 

東京とつがる市を繋ぐ、メロンシュークリームキューブ

通年を通して楽しめるのが、青森県とつがる市とつがる市の老舗「お菓子の工藤」と共同で開発したという「メロンのシュークリームキューブ(650円)」。シュー生地は「お菓子の工藤」から取り寄せ、中にメロンの果肉とシャーベット、生クリーム、カスタードクリームを詰めた4層構造になっています。このメニューのように今後、つがる市にもフィードバックして地元でも食べられるように進めていきたいとのこと。

写真映えするビジュアル! ダイスカットされたたっぷりの生メロンをトッピング

 

メロンの魅力をマガジンで発信していきたい

メロンの旬にあわせて年3回ほどメニューを変更するという「果房 メロンとロマン」。メニュー開発の際には「メロンが主役になっているのか」を大事にしながら試作を繰り返しています。

また、カフェではメロンの網目が型押しされたコースターや、現在はお休み中ですが、色ぬりができるようメロンカラーペンが用意されていたりとメロン好きには嬉しい体験コンテンツも用意されています。

品種の紹介文が書かれたコースターの裏側にはメロンの網目が

多くのカフェがさまざまな予定を変更せざるをえなくなった2020年。ですが、同店のチャレンジはこれからも続きます。今後はメロンの産地や生産者、美味しいメロンの見分け方、カルチャーなどを紹介するメロンマガジンを発行予定し、より多くのメロン情報を発信していきたいとのこと。

青森県つがる市の、メロンを軸としたロマンあふれる地方創生プロジェクト。私たちの暮らし方や価値観が変わりつつある今だからこそ、今後の展開と未来に期待が高まります。

イラストレーターの芳賀あきなさんがイメージビジュアルを担当

 

◆果房 メロンとロマン
住所:東京都新宿区神楽坂3丁目6-92
営業時間:水〜日 11:30〜17:30
定休日:月・火曜(祝日の場合は営業)
TEL:03-6280-7020
HP:https://melon-roman.com
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※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、現在は1時間の予約制。電話と店頭にて予約可能。