丸山珈琲が2017年から取り組んでいる、コーヒー豆の生産者にフォーカスをあてた「Discover Coffee Project」。今年はホンジュラスをテーマに、生産者のひとりであるマリア・サントス氏を紹介する新作ムービーの公開とクロストーク、さらに来日した生産者の豆で作ったコーヒーカクテルなどのドリンク、ホンジュラス料理が味わえるイベントが開催されました。
ホンジュラスは丸山氏にとって活動の原点
現在、900万人の人口のうち、コーヒーで収入を得ている人が1/4を占めているというホンジュラス。家族経営など、とくに小規模生産者が多いのが特徴です。
イベントにて公開されたムービーで登場したホンジュラス・カングアル村は、代表の丸山健太郎氏にとって自身の活動の原点となった場所。というのも、丸山氏が2009年にカップ・オブ・エクセレンスで入賞したコーヒー生産者の家を初めて訪れた時、その家にトイレがないことに当時、大きな衝撃を受けたという。
「素晴らしいコーヒーを作っている生産者が、なぜ基本的な生活水準を満たしてない暮らしをしているのか」。農園の不条理を目の当たりにしたことで、丸山氏は「素晴らしいクオリティの豆に対して、適正な価格を支払う」いう信念が強まった。
豆の品質を正当に評価してもらえることが、生産者のモチベーションに
イベントで登壇したゲストは、ムービーに登場したマリア・サントス氏、2018年のワールドブリューワーズカップで上山薫バリスタが5位に入賞したときに使用した豆の生産者、マリサベル・カバジェロ氏とご主人のモイセス氏、そしてレイナ・カルロス氏、バイヤーと生産者の架け橋になったサロモン氏、ホンジュラス在日特命全権大使など。
丸山珈琲が取引を始めたこの村は、40軒ほどの生産者のうち、当時、車を持っているのが2軒しかない状況だったのが、今では車を持っていない家が2軒しかないところまで変わってきている。マリサベル氏は「豆の品質を正当に評価し、値をつけてくれるケンタローと出会えて、本当に生活が変わった。」と話してくれた。
改めて考えたい、私たちの目の前にある一杯のコーヒーの価値
「小規模生産者が多いホンジュラスで、ビジネスとしてコーヒーの取引をしてくためには、経済が成り立つ仕組みを作り、農作物であるコーヒー豆の出来が良い時も悪い時もあることを心得て、生産者と付き合っていく覚悟が必要です。」と語る丸山氏。そこには、素晴らしいコーヒーを作る生産者の情熱を正当に評価したいというコーヒーバイヤーとしての一面と、生産者を想う家族のような愛情を感じられた。
日本でもスペシャルティコーヒーが広まりつつある今、目の前にあるコーヒーはなぜ美味しいのか、その裏に関わる人、時間、情熱、覚悟を知ると、その価値を今よりも正しく感じることができるのではないだろうか。
<One Day Cafe feat. Hondurasの様子>
1階では「One Day Cafe feat. Honduras」と題して、生産者のコーヒーを使用したコーヒーカクテルやフレンチプレス・ハンドドリップで淹れたコーヒーを提供。
下の写真は、マリサベル・カバジェロ氏のコールドブリューコーヒーで作ったカクテルとププーサと呼ばれる豆の煮込みとチチャロン、チーズなどが入ったホンジュラス料理。初めての味わいながら絶品でした。
◆丸山珈琲
http://www.maruyamacoffee.com
・Discover Coffee Project
http://www.discover-maruyamacoffee.com
・9/15 より公開 ホンジュラスの生産者 マリア・サントス氏のムービー
http://www.discover-maruyamacoffee.com/dear-grower/single.html?no=30