“あるがままに、自分たちらしく” という想いとともに生まれたLet It Be Coffee(レット イット ビー コーヒー)。2018年2月のオープン以来、“素敵なふたりに会えるコーヒーショップ”としてすぐに注目を集めるようになりました。ガラス越しに訪れる人の顔が見えた瞬間から最高の笑顔で迎えてくれるのは、オーナーの宮崎哲夫さんとmotocoさん。オープンしてから3ヶ月たった春先、CafeSnapの大井がおふたりにお話を伺いました。
◆お話を伺ったのは……
宮崎哲夫さん(左)、motocoさん(右)
Let It Be Coffeeオーナー・バリスタ。二子玉川のスターバックスやブルーボトルコーヒーの立ち上げに携わり、10年以上バリスタとして活躍。2016年末に独立後は10ヶ月間、様々なカフェやオフィスでコーヒーを淹れる“旅するコーヒー屋”として活動。2018年2月5日、彼らのホームである二子玉川に念願のLet It Be Coffeeをオープン。楽しいことが大好きでハッピーオーラ全開のふたりの周りにはいつも笑顔が溢れている。
“真心と思いやり”が行き交うコーヒーショップ
大井:Let It Be Coffeeのオープンおめでとうございます! 特徴的な店名ですが、まずは名前の由来から教えていただけますか?
宮崎さん:僕らはふたりとも自由な性格で……(笑)、「自分たちらしく働きたい、その環境を自分たちで作り出したい」と思ったときに、“自分たちらしく”を表現できる言葉を探していました。辞書で調べている中で、“あるがままに、自分たちらしく”という意味を持つlet it beという言葉を見つけて、「これが一番いいね」となったんです。
motocoさん:よく「ビートルズのファンなんですか?」と聞かれるんですが、実はLet It Beという名前を決めたのが先で……。その後にビートルズを全部借りて聞きました(笑)
大井:そうだったんですね! いまお店をオープンされて3ヶ月ですが “自分たちらしさ”はどんな風に表現されていると思いますか?
motocoさん:私たちは100人のお客様がいたら100通りの接し方があると思っているんですね。お店では真心と思いやりをもってお客様と向き合うこと、伝えることを100%、いや1000%の力でできる。それが自分たちらしいと思いますね。
宮崎さん: motoちゃんは真心でお客様と接する天才なんですよ!
motocoさん:(笑) お店について言えば、ここにあるもの全てが、私たちの好きな人たちが作ってくださった、好きなものだけでできています。例えばコーヒー豆は前職のブルーボトルコーヒーで仲間だったCoffee Wrights(コーヒーライツ)さんと、大阪で私がお世話になっていたLiLo Coffee Roasters (リロコーヒーロースターズ)さんにお願いしています。
器は大好きな作家、遠藤太郎さんの益子焼です。こちらもブルーボトルの仲間がやっているセレクトショップで販売していたので、そのご縁でLet It Be用に作っていただきました。
大好きな人が作る、大好きなものを伝えたい
大井:Let It Be Coffeeに来ると、コーヒーやスイーツのことをすごく楽しそうに話してくださるので、「ふたりが大好きなものを出してくださっているんだ」といつも感じます。
宮崎さん:好きなものって共有したくなりますよね。お店で出しているものは、すべて好きな人の好きなものだから、自然と伝えたくなるんだと思います。
motocoさん: 私たちは作り手の想いを同じ熱量で伝えたいですし、伝えることが楽しいんですよね。「どうぞ」って、コーヒーをただ渡すだけだと特に何も伝わらない。かといって、豆の専門的な話では難しすぎる。そう思った時に、「この豆を作ってくれた人たちがどんな人たちで、どんな想いで作ってくれているのか」を伝えたいと思ったんです。すると、ほとんどの方が帰り際のカップを返す時に、ただ戻すのではなくて「美味しかったよ」と一言添えてくださって。渡した“気持ち”が返ってくるのが嬉しいですね。
繋がりが生まれる空間設計
大井:お店を作るにあたって、店内のデザインはどんなところにこだわりましたか?
motocoさん:ひとつは“360度お客様が見えるカウンター”です。哲夫くんが入り口側を向いている時は私が店内側を向くようにすると、どこから見てもお客様に背を向けることがなく、いつでも全体を見られます。
motocoさん:ふたつめは私たちはもちろん、お客様同士が顔を合わせられる“相席のベンチシート”です。土地柄お子さん連れも多く、赤ちゃんを見て反対側に座った方が「可愛いね」と声をかけたり、そこにいる皆でコミュニケーションが生まれる瞬間、お隣のお客様同士が席のスペースを譲り合う時など、相席にしたことでこの空間にいる人同士が“思いやり”をもって繋がっていく、それが嬉しいですね。
みっつめは、この“棚”です。実は、内装を考えるとき一番最初に「想い入れがあるものを置けるランダムな棚が欲しい」と設計士さんにお願いしました。例えば、完成したものを初めて見せて頂いた時の感動が忘れられないこの店の模型図や、私たちが独立した時にお客様から頂いたビートルズのレコードなどがあります。
大井:おふたりにとって、特に印象的なものをあげるとするとどれでしょうか?
motocoさん:全部ですが……しいて言えばドリッパーとメイソンジャーですね。ブルーボトルを退職してから約一年間、“旅するコーヒー屋”※として様々なところでコーヒーを淹れていたときに使っていたので、これをみるとそのときのことを思い出します。あの1年があって今があると、いつも思い出させてくれます。
※旅するコーヒー屋:Let It Be Coffeeのふたりが曜日ごとに私立珈琲小学校や、DAVIDE coffee stop、SOTO KAWADAなどのコーヒーショップや、オフィス、展示会に出向きコーヒーを淹れる出張バリスタ活動
顔が見えることで強くなった、作り手への思い入れ
大井:独立する前、宮崎さんとmotocoさんはスターバックス、そして前職ではブルーボトルコーヒーで長く働かれていましたよね。どんなことが印象に残っていますか?
宮崎さん:ブルーボトルはコーヒー専門店ということもあって、衝撃的な美味しさのコーヒーに出会い、コーヒーの知識を深めることができました。それから私にとっては初めて、“仲間が焙煎した豆”でコーヒーを作れたので、それは大きかったですね。作り手の顔が見えることで、コーヒーがより身近になりましたし、コーヒーへの思い入れも強くなりました。
それから、ブルーボトルでは本当にたくさんの出会いがあって、それは今に大きく繋がっています。あんバターサンドのパンをお願いしているカタネベーカリーさんもブルーボトルで働いていたからこそ知り合えましたし、他にもたくさんの出会いと繋がりを持てたからこそ今のお店ができていると思います。
Vol.2の「Let It Be Coffeeのふたりが選んだ、“あるがままに”の生き方」は5月25日(金)更新予定。お楽しみに!
Let It Be Coffee (レット イット ビー コーヒー)
住所:東京都世田谷区玉川3-23-25 ビーンズ二子玉川102
営業時間:11:00〜 20:00
定休日:水曜
メニュー:ハンドドリップ 480円〜、カフェラテ500円、あんバターサンド500円、もなか380円
Instagram: https://www.instagram.com/letitbecoffee/
CafeSnap みんなの投稿>> https://cafesnap.me/c/9305
Interview&Writing:Ayako Oi
Photo:Kumiko Nakakuki