国内外50以上のロースターが焙煎したシングルオリジンコーヒーの中から、カッピング審査によって“世界一のシングルオリジンコーヒー”を決定する「COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER」。2021年12月9日、その予選審査会が行われ、決勝へ進むトップ10のロースターが決定しました。

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舞台は「世界」へ。高品質な生豆の目利きと焙煎技術で生まれる“世界一のコーヒー”

コーヒー文化が息づく東京・神田錦町で2015年より開催されてきたコーヒーフェス「COFFEE COLLECTION」。厳しい審査を勝ち抜いたロースターだけが一同に会す国内随一のコーヒーフェスは、毎年多くのコーヒーラバーたちを熱狂させてきました。

その前哨戦ともいえる品評会「COFFEE COLLECTION DISCOVER」が力を入れてきたのが、実力あるロースターの発掘です。美味しいコーヒーの根源であるクオリティの高い“生豆”と、豆のポテンシャルを引き出す“焙煎”にフォーカスし、産地の持ち味を最大限に活かすことのできるロースターに光を当ててきました。

2022年、その舞台はついに「世界」へ。海外からのエントリーを強化し、さらには世界を代表するバリスタがカッパーとしてジャッジを担当。「COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER」として、“世界一のコーヒー”を決める品評会へとアップグレードしました。また、上位5位までのコーヒーは日本だけでなく海外でも販売され、その味わいは世界中のコーヒーラバーに届けられます。

今、コーヒーを取り巻く環境は目まぐるしく進化しています。高いクオリティを持つ豆と、ロースターの確かな技術の掛け合わせによって生まれる味は、どれもが唯一無二。今年も世界各国から、作り手たちのエネルギーがみなぎる個性豊かなコーヒーが勢揃いしました!

 

予選審査を突破したトップ10を発表!

今回の「COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER」には、日本をはじめ韓国やスウェーデン、オランダ、オーストラリアなど約50のロースターがエントリー。

審査は予選と決勝の2段階で行われ、公正を期すために、すべての審査はロースター名やコーヒー豆の生産地、精製方法など一切の情報を伏せたブラインドカッピングで実施されました。

予選のジャッジを務めたのは、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2017で準優勝を果たし、世界的に活躍するバリスタ鈴木 樹さん、ORIGAMIドリッパーの開発者・鈴木 康夫さん(TRUNK COFFEE)、COFFEE COLLECTIONを主催する鈴木 清和さん(GLITCH COFFEE & ROASTERS)の3名。2時間を超える厳正な審査を経て、3名の合計得点でファイナルジャッジへ進む10点が決定しました!

【店名:生産国(エリア)/農園/精製方法】
・ABOUT US COFFEE:エチオピア/ニグセ・ゲメダ・ムデ農園/ナチュラル
・ATARAXIA:コロンビア/エルパライソ農園/ダブルアナエロビック
・Coffee Wrights:エチオピア/ニグセ・ゲメダ・ムデ農園/ナチュラル
・GLITCH COFFEE & ROASTERS:コロンビア/モンテブランコ農園/ゴールド・グラン・クリュ・ウォッシュド
・Gluck Coffee Spot:コロンビア/フィンカグアカナス(アンドレスグアカ)/ダブルアナエロビック・ナチュラル
・nichi nichi coffee:エチオピア/ニグセ・ゲメダ・ムデ農園/ナチュラル
・ONIYANMA COFFEE:エチオピア/ブク サイサ村(グジ ブク アベル)/ナチュラル
・Philocoffea:エチオピア/ウェイト農園/テツ・プロセス
・Prism coffee works :コロンビア/パライソ92/ビール酵母発酵
・コーヒーと朝食 :エチオピア/ニグセ・ゲメダ・ムデ農園/ナチュラル

トップ10に選ばれたコーヒーは決勝審査へと進出。世界大会で優勝経験を持つファイナルジャッジ3名によるカッピング審査を経て、“世界一のコーヒー”が決定します。

 

予選ジャッジが語る、コーヒーの“今”。
エチオピアとコロンビアの二大産地が台頭

予選審査会後、カッパーを務めた3名のジャッジに「COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER」から見るコーヒー界のトレンドや、世界のコーヒー事情についてうかがいました。

 

―まずは50点ものカッピング、本当にお疲れ様でした! すべての審査を終えて、全体的な印象や気になった傾向などを教えてください。

鈴木樹さん(以下、樹)「それぞれのカップから、生産者やロースターのコーヒーに対する熱量が感じられて、とても飲みごたえがありました。ロースティングの大会とは違って『COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER』では、どんな豆を使ってどう焙煎するかなどはすべて自由。豆の選定から焙煎のアプローチまで、ロースターによって目指す味の違いを強く感じましたね」

鈴木清和さん(以下、清)「おもしろかったですよね、どれも独自の味作りを追求していることが伝わって。全体的には浅煎りが多くて、酸味が強く出ているものや、ダブルアナエロビックなど個性的なフレーバーがあるものが多かったという印象です。

ただ、どのロースターもいい豆を使っているなと思いました。またそういう豆が手に入る時代になったんだな、とも。上位に残ったカップは、その中でも特に、豆本来のポテンシャルと産地の持ち味を最大限に引き出せているものだと思います」

鈴木康夫さん(以下、康)「味が出しきれていなかったり、逆に雑味が出てしまっていたり、『惜しい!』と思うものもありましたよね。結果を見ると、酸の中にもしっかり甘みをのせられているカップはきちんと評価されています。焙煎のテクニックがものをいったかなと。

それにしても、この上位10点にまさに今のコーヒーのトレンドが現れているのがまたおもしろいですよ。生産国は、エチオピアとコロンビアが独占!」

樹)「どちらも味にはっきりとした輪郭がありながらもクリーンなのどごしで、年々クオリティが上がっている産地ですよね」

康)「特にコロンビアは、近年ファーメンテーションの技術が向上して数年前と比べても格段によくなっています」

 

―コロンビアの豆に注目が集まっているのですか?

康)「世界的にいっても間違いないですね。昨年10月にイタリアで行われた『ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2021』でも、史上初めてコロンビア代表が優勝しました。それも、農家出身のバリスタです!

今、生産国のバリスタや農家たちが、リベリカ種をはじめとした市場にあまり出回らない希少な豆を使って、チャレンジングな取り組みを加速させているんです」

清)「そもそもの豆のクオリティが上がってきている上に、高いファーメンテーションの技術と特殊な加工プロセスが加わって、同じコロンビア産の豆でもまったく違うキャラクターになっているから興味深いですよね。マンダリンオレンジのようなテイストのものがあったり、ピーチネクターを思わせるものがあったり。それでいて品質がどれも安定している。すごい技術だなと思います」

樹)「エチオピアも、2020年にカップ・オブ・エクセレンスが始まってから、全体的なレベルが大きく上がったと思います。実際に今回のトップ10の中にも、エチオピアCOEで1位になったニグセ・ゲメダ氏の豆が多く使われていますし、注目度が高いことは確かですよね」

清)「近年のエチオピアの豆は、酸味が強すぎずブドウのようにジューシーで、すごくバランスがいいですからね」

康)「スマホの普及に伴って、生産国の農家たちにもリアルタイムで消費国のマーケット情報が伝わるようになったのが、産地のレベルが急速に底上げした大きな要因でしょう。資金力や体力がある農家は、市場で求められているものや他国と異なる独自の価値をつくるために、どんどん新しいことに挑戦しています。

ほかの産地にも素晴らしい生産者はたくさんいるので、そういう豆をより美味しく仕上げるロースターの技術にも期待したいですね」

 

―ありがとうございます! 最後に、特に印象に残ったカップをぜひ教えてください。

康)「おせじ抜きで、『GLITCH COFFEE & ROASTERS』とコロンビア・モンテブランコ農園のカップは本当によかった! 実際に、いちばん高い点数を付けていました」

樹)「私もです!」

清)「ありがとうございます!」

康)「フローラルでボティもしっかりあって、何より、アフターテイストがものすごく長かったのが印象的でした。グリッチさんが焙煎したものだとわかって、さすがだなあと思いましたよ。

もうひとつ僕が注目したのは、エチオピア・ニグセ・ゲメダ・ムデ農園の豆を使った「ABOUT US COFFEE」のカップ。シンプルにすごくいい豆であることが伝わったのと、それを見事に引き出す焙煎で仕上げられていました。ナチュラル精製のエチオピアの豆らしい爽やかさとスイートネスが感じられて、美味しかったです」

樹)「私も『GLITCH COFFEE & ROASTERS』のカップは、まるでライチジュースのようなジューシーさ驚きました! 甘みと香りの豊かさはもちろん、密度の高いなめらかな質感もすごくよかったです。

あとは『Prism coffee works』のコロンビア・パライソ92の豆も印象的でしたね。パッションフルーツのような華やかな香りがユニークでした」

清)「僕は、ブドウ、レッドワインのようなジューシーさがあった「Philocoffea」のエチオピア・ウェイト農園のカップや、コロンビアの中でもフローラルでローズやクランベリーのような風味を感じた『Gluck Coffee Spot』のアンドレスグアカ農園の豆に惹かれました。

豆にうまく合わせた焙煎がされているなと。この10点から、どれが世界一の称号を勝ち取るのか、ファイナルジャッジの評価も楽しみですね」

予選審査を突破した10点は決勝審査を経たのち、5位までを「COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER」のECサイト、さらには「POST COFFEE」「SLURP」で販売予定。

コーヒーラバーの皆さん、新時代のコーヒーカルチャーを担うロースター渾身の一杯を手に入れるチャンスです! ぜひお見逃しなく。

 

◆COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER
HP:https://bit.ly/3Ax4zc7
オンラインショップ:https://coffeecollection.stores.jp

 

取材・文:RIN 、写真:松島星太

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