北海道・札幌に本店を持ち、全国各地のコーヒー好きやカフェ好きに愛される喫茶店「森彦」。その味わいを自宅で楽しむことができるレギュラーコーヒー「森彦の時間®」から初の季節限定ブレンド「冬のブレンド」が発売されたことを記念してオンラインイベントが開催されました。創業者・市川草介氏が語る、冬のコーヒー時間の愉しみ方とは。
コーヒーの“表現の場”を広げ続けた森彦の25年
1996年に札幌の地に創業し、今年で25周年を迎えた森彦。現在、道内に14店舗を展開するMORIHICO.はブランドコンセプトに“Coffee&Something”を掲げ、木造民家を改装した本店を皮切りに、図書館と一体化した「MORIHICO.藝術劇場」、コーヒーを通してサスティナブル&エシカルを発信する「MORIHICO & THE ALTERNATIVE」など、時代とともに“コーヒーを表現する場”を広げてきました。
そのMORIHICO.が2019年から手がけているのが、味の素AGF㈱と協働開発した家庭用レギュラーコーヒー「森彦の時間®」です。今回、新たに季節限定の「冬のブレンド」が発売されたことを記念して、札幌の本店・森彦と全国のMORIHICO.ファンをつなぐオンラインイベント「カフェ 森彦の時間 オンライン店」を開催。森彦流ハンドドリップのデモンストレーションや、創業者・市川草介氏とCafeSnap代表・大井のトークセッションが行われました。
ダークチョコレートを思わせる冬ならではの味わい 「冬のブレンド 」
「森彦の時間®」 冬のブレンド は、MORIHICO.が冬期間限定で展開するコーヒー「ショコラティエ」をイメージしてつくられた、「森彦の時間®」シリーズ初の季節限定ブレンドです。世界中の名だたる焙煎士に高く評価されているブラジル・ダテーラ農園のハイグレード品種の豆を使用し、ダークチョコレートを思わせる奥深くて甘みのある味わいに仕上げています。
イベントの始まりは、本店の店長・冨塚絵理さんが「冬のブレンド」を実際にドリップして淹れ方をレクチャー。森彦のヘッドバリスタ・加福健人さんの解説のもと、参加者たちは自宅で抽出しました。
「美味しいところだけを抜き取る」のが、森彦流ドリップ
MORIHICO.で継承されるハンドドリップの極意は、「豆を贅沢に使い、美味しいところだけを抜き取ること」。①湯の温度、②抽出量、③注ぎ方の3つのポイントおさえることで、中深煎りや深煎りの豆でも苦味やえぐみのないクリアな味わいになるといいます。今回は18gの粉を使い、160gのコーヒーを抽出しました。
①ドリップポットに熱湯を入れ、湯温を90℃にする(沸騰した湯をポットに移し、1〜2分待つとおよそ90℃に)。深煎りのコーヒーは高温で淹れるほど苦味やえぐみが出やすいため、湯の温度は重要なポイント。同時にコーヒードリッパーとコーヒーサーバーに湯をかけ、温めておく。
②ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、「冬のブレンド 雪」を18g入れる。ドリップの際にムラなく湯に浸るよう、側面を軽く叩いてコーヒー粉の表面を平らにならす。
③コーヒーサーバーをスケールに置き値を0にセットしたら、ドリッパーはサーバーに置かずに、上部でやや浮かせて手で持つ。これは、目的の抽出量に達したらすぐにサーバーから外すため。最後の抽出液には苦味やえぐみが出やすいので、落としきらないのが森彦流ドリップの大きなポイント。
④まずはコーヒー全体を湿らせるように、少量の湯を均一に回しかけ30秒蒸らす。この時、ドリッパーからポタポタとコーヒーが滴るくらいが、かける湯量の目安。また、高い位置から湯を注ぐと衝撃よって雑味が出やすいため、できるだけ低い位置からから注ぐ。
⑤蒸らし終わったら、中央から円を描くように少しずつ湯を注いでいく。はじめは10円玉くらいの大きさの円からスタートし、徐々に大きくする。2、3回注いだら少し待ち、また注いで待つを繰り返す。これによって蒸らしの状態を維持し、コーヒーの香味や旨みを引き出す。円の大きさは、中盤で500円玉サイズが目安。最後は縁から1センチほど内側で留めるのがよい。
⑥160g抽出したら、すぐにドリッパーをサーバーから外す。注ぎ始めてから1分半〜2分で抽出する。
市川氏が語る「冬のブレンド」で愉しむ冬のコーヒー時間
イベントの後半では、市川氏と大井によるトークセッションが行われ、淹れたての「森彦の時間®」 冬のブレンド を味わいながら熱いコーヒートークが繰り広げられました。
―今回はシリーズ初の季節限定ブレンドということで、楽しみにされていた方も多いと思います。「森彦の時間®」 冬のブレンドはどのようなコンセプトでつくられたのでしょうか?
市川氏:店舗でお出ししている冬期間限定の「ショコラティエ」というブレンドをモチーフにしています。ショコラティエとは「チョコレート職人」という意味なのですが、ブラジル産の豆には、豊かな甘みと芳醇なチョコレートフレーバーを有する良質な銘柄があるんです。
寒くなると、こっくりとした美味しいコーヒーで温まりたくなりますよね。実際にカフェもこの時期はとても賑わいます。そんな、冬の北海道で愛されてきた美味しさをぜひ全国のご家庭にもお届けしたいと思い、生豆の選定から徹底的にこだわって開発しました。
―まさにダークチョコレートを思わせる甘みにとても驚きました。
市川氏:砂糖やミルクを入れていないのに、確かな甘みを感じるでしょう? 中深煎りなので奥深さもありつつスッキリと召し上がっていただけると思います。
僕自身、もともと深煎りのコーヒーが大好きでこの世界にのめり込んだのですが、飲みごたえがあるのにスルスルとのどを通っていくコーヒーに出会うたびに感動します。皆さまにも、先ほどのレクチャーを参考に美味しく淹れていただき、その感動を味わってもらえると嬉しいです。
―とても贅沢な時間になるでしょうね。ご家庭で愉しむ際に、ペアリングにおすすめのスイーツなどはありますか?
市川氏:MORIHICO.では、中深煎り・深煎りのコーヒーにはチョコレートやチーズを使った濃厚なスイーツをおすすめしています。特に「冬のブレンド」は、カカオを彷彿させる風味をコンセプトにしているので、ガトーショコラや生チョコなどはとても合うと思いますよ。
―市川さんご自身は、冬ならではのコーヒーの楽しみ方はありますか?
市川氏:僕は大のアウトドア好きなので、冬でもスキーや釣りに出かけてはよくホットコーヒーを淹れています。その時に必ず持っていくのが、バターとはちみつです。深煎りのコーヒーにバターをひとさじ落として、その上からはちみつをたっぷりかけて飲むのが好きですね。身体も温まりますし、屋外で飲むには最高のアレンジだと思っています。
―今回の「冬のブレンド」でも試してみたくなります。市川さんはさまざまなシーンでコーヒーを取り入れてらっしゃるのですね。
市川氏:“コーヒーは潤いをくれるもの”というのが、僕の考えです。MORIHICO.がブランドコンセプトに「Cofee&Something」を謳うのも、コーヒーを軸にしながらさまざまなものを組み合わせることで、“コーヒーがもたらす潤い”を得られる場や、その表現方法を広げていきたいと考えているから。
読書、ステイ(宿泊)、サイクリング、アート、そしてカフェ……。かつて僕自身が、ただコーヒーを味わうだけではなく、喫茶店という空間で過ごすことで自分の将来像を見出してきたように、今の若い世代の人たちにもいろいろなかたちで、コーヒーを通して人生をポジティブにする場を届けたいと思っています。
―家庭で愉しむレギュラーコーヒーも、その表現方法のひとつということでしょうか。
市川氏:ええ。レギュラーコーヒーに懸けた僕の願いは「森彦の時間®」という名前に込めました。
現代人は、仕事に家事にと常に忙しなく働き、とかく楽で便利なものを求め続ける中で、“時の流れ”を見失っているのではと感じています。だからこそ、コーヒーを淹れたり飲んだりすることで、少しだけでも刻々と流れる時の心地よさや自分と向き合う時間を取り戻してほしい。そんな想いから「森彦の時間®」と名付けました。
―「森彦の時間®」がもたらす潤いは美味しさだけではないということですね。市川さんご自身はどのようにご自宅でコーヒーを愉しまれるのですか?
市川氏:これは持論なのですが、コーヒーには創造性を生み出す力があると思っています。たとえば僕の場合は、朝起きてきちんと朝食を食べても、それだけではいいアイディアが浮かばなかったり、エンジンがかからなかったりするんですよね。そんな時に一杯のコーヒーを飲むと、スイッチが入っておもしろいものが浮かんできます。
ちなみに僕は、家ではスケールなどは使わず目分量で淹れています。長年の経験が染み付いていることもありますし、気分によって淹れ方を変えて愉しんでいます。
―自分なりの愉しみ方を見つけられるのも、自分でコーヒーを淹れる醍醐味ですね。
市川氏:そうですね。日本文化には、茶道や武道、芸の世界で受け継がれる“守破離(しゅはり)”という考え方があるのをご存知ですか? 初めは師匠や流派の教え「守」り、次に新たな他の良いところ取り入れ「破」る、そして最終的には独自の新しいものを生み出して「離」れる。1杯のコーヒーにもこの守破離があると思います。ぜひ「冬のブレンド」をはじめとした「森彦の時間®」で、時の流れを取り戻しながら、皆さんなりのコーヒー時間を愉しんでいただけると嬉しいです。
25年前の創業時は、多くの人がガイドブックを片手になかば道に迷いながら、路地裏にひっそりと佇む森彦を訪れた時代。それが今では、オンラインで全国のMORIHICO.ファンとつながることができ、また自宅でその味を愉しんでもらえることに、大きな喜びを感じると語った市川氏。ぜひこの冬は、雪積もる森彦に想いを馳せながら、「冬のブレンド」とともに自宅で「森彦の時間®」をお愉しみください。
◆商品情報
商品名:「森彦の時間®」冬のブレンド
価格:180g 598円(税抜き)
販売場所:全国のスーパーマーケット
詳細:https://bit.ly/3dwkn45
◆森彦
住所:北海道札幌市中央区南二条西26-2-18
営業時間:10:00〜21:00(L.O.20:30)
※感染症拡大防止のため、営業時間を変更している場合がございます。
お越しの際は、HPより営業時間のご確認をお願い致します。
定休日:年末年始
HP:https://bit.ly/3dwkn45
CafeSnap みんなの投稿>> https://cafesnap.me/c/1042
取材・文:RIN
撮影:吉川麻子
インタビュー:大井彩子(CafeSnap)
Sponsored by 味の素AGF株式会社